京王杯2歳Sは再び波乱傾向か。前走の敗戦で人気落ちした素質馬の反撃に期待 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

「前走は5着に敗れましたが、道中でハミをとらず、追っつけ通しという苦しい内容でした。精神面の幼さが出てしまったようです。

 しかし、初戦の新馬戦(6月26日/札幌・芝1200m)では1分9秒2という、まずまずの勝ち時計をマーク。好位2番手からの正攻法の競馬で、後続に2馬身差をつける完勝でした。その結果を受けて、前走では1番人気に推されたくらいですから、まだまだ見限ることはできません」

京王杯2歳Sで巻き返しが期待されるキングエルメス京王杯2歳Sで巻き返しが期待されるキングエルメスこの記事に関連する写真を見る また、坂本記者は「キングエルメスは血統的にも重賞で結果を残せるだけの素地がある」という。

「同じ矢作芳人厩舎に所属する半兄のカイザーノヴァは、新馬勝ちのあと、GIII函館2歳S(函館・芝1200m)では5着に敗れたものの、続くクローバー賞を快勝。母ステラリードも、デビュー2連勝で函館2歳Sを勝った快速馬でした。そうした早い時期から活躍してきた血統背景があることは見逃せない材料です。

 新馬戦後には、鞍上の坂井瑠星騎手が『この血統らしい、いいフットワークでした。まだ抜け出してからは遊んでいる感じでしたが、競馬のセンスはいいですし、これからが楽しみです』と、その素質を高く評価。決して侮れない存在で、競馬に対して気持ちが向けば、一発あっても不思議ではありません」

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