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ディープのラストクロップ4頭がセレクトセールに登場。現場で聞いた「本当の価値」 (3ページ目)

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by(c)Japan Racing Horse Association

 さて、これらセレクトセールに登場したディープインパクトのラストクロップ4頭。関係者はどう評価しているのか。何人かに話を聞いたところ、「プレミアムがついて、平時よりもやはり高かった」という意見が多かった。

 ある馬主エージェントは、最後のディープ産駒で「欲しい気持ちはわかりますけどね......」と切り出して、こう語る。

「実際のところ、億の価値があるかどうかというと、どうかなと思います。億単位で取引された他の種牡馬の産駒と比べると、正直『そこまでの馬かな』と思ってしまいますね。

 ただ、ワッツダチャンセズの2020はよかったですね。価格は高めですが、期待できると思います」

 元ノーザンファーム勤務の別の馬主エージェントも、「追分の牝馬(=ワッツダチャンセズの2020)がいいですね」と言って、こう続ける。

「どうしても『価格と見合わない』という感は否めませんが、繁殖ということも込みで考えれば、この馬がいいのではないでしょうか。

 また、主取りとなったジュエルメーカーの2020は、今日の状態がよくなかったのか、もともとああいう馬なのかわかりませんが、後者ということであれば(競走馬としての見通しは)かなり厳しいと言わざるを得ません」

 一方で、ディープ産駒でGI制覇を遂げている栗東の調教師は前向きに評する。

「ディープ産駒には、いい思いも、悪い思いもしましたが、若馬の段階で『これは厳しいかな』と思うような馬であっても、いざレースで走らせてみると結果を出してしまうことは往々にしてあるんです。(セールに出てきた)今回の4頭もきちんとした馬ばかり。特にノーザンや追分の馬は、そういった期待を見込んでもいいと思いますよ」

 はたして、最後の世代となるディープ産駒たちはどんな結果を出すのか。クラシックで答えが出るのは、2年後だ。

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