宝塚記念は2強の一騎打ちが濃厚も、素質開花の新勢力に一角崩しの期待 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 このクロノジェネシスに続くのは、無傷の6連勝でGI大阪杯(4月4日/阪神・芝2000m)を制したレイパパレ(牝4歳)。ここは、同馬とクロノジェネシスとのマッチレースになる可能性もありますね。

 前走の大阪杯では、それだけの強さを見せました。強豪相手に4馬身もちぎった走りには本当に驚かされました。しかも、重馬場での完勝。道悪馬場になることが多い宝塚記念でも不安はなく、むしろ馬場が荒れるほうがプラスに働くのではないでしょうか。

 馬体重は420kg前後とかなり小柄。にもかかわらず、大型馬が苦にする重馬場を難なく快走。華奢な体のどこに、それほどのパワーが秘められているのか。これまた驚きを隠せません。

 ともあれ、血筋をたどれば、活躍馬が多数いる牝系。血統のよさは確かです。

 2200mという距離も問題ないと見ていますが、今回はこれまで以上に他馬のマークがきつくなるでしょう。そこで、どんな競馬を見せるのか。レイパパレにとっては、本当の意味で試金石となる一戦と言えます。

 その他、この2頭ほどのインパクトを感じるような存在はいません。ただ、それ以外の馬たちの実力差も大きく、馬券圏内(3着以内)に入ってきそうな馬たちは限られると思います。

現在2連勝中と勢いのあるユニコーンライオン現在2連勝中と勢いのあるユニコーンライオンこの記事に関連する写真を見る なかでも、穴馬として面白いのは、ユニコーンライオン(牡5歳)です。

 3歳時にはGI菊花賞(京都・芝3000m)に駒を進めたように、陣営は同馬の素質を早くから評価していたそうです。そして、その素質がここに来てようやくかみ合ってきたのでしょう。前々走で3勝クラスを勝ち上がって、前走ではGIII鳴尾記念(6月5日/中京・芝2000m)を快勝。重賞初制覇を遂げました。

 走りのフットワークや欧州の血筋からなる血統背景を鑑みれば、渋った馬場も問題ないでしょう。また、展開的にも"伏兵"という立場が有利に働きそう。思い切ってハナを主張すれば、レイパパレに騎乗する川田将雅騎手は変な争いは避けて、あえて引くような気がします。

 その結果、スムーズに先手を取って運べれば、レイパパレのように目標とされることはないでしょうから、一発の可能性が膨らみます。鞍上の坂井瑠星騎手がどう出るか、注目です

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