混戦の函館スプリントSは良血2頭に注目も、上昇一途の「曲者」にも要注意 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

 今年は札幌開催となりますが、例年どおりの高速決着が予想されます。開幕週の馬場であることを考えれば、先行力があることが重要視されそうです。

 注目は、カレンモエ(牝5歳)です。昨秋にオープン入りし、重賞で2戦連続2着。ともに勝ち馬と差のないレースを見せて、いつ重賞タイトルを手にしてもおかしくない存在です。

 5歳ながら、いまだキャリアは10戦。体質の弱さもあってか、大事に使われてきたようです。その分、まだまだ伸び盛りと言えます。

 過去のレースを見る限り、どんなシチュエーションでも先行できて、乗り手からすると、非常に計算の立てやすいタイプです。高速馬場が想定されることを思えば、その先行力はより武器になるでしょう。

 父ロードカナロア、母カレンチャンと、スプリント界を代表する名馬を両親に持つ良血。いずれも厩舎ゆかりの血統で、どちらもこのレースでの好走実績があります。カレンモエも勝ち負けを演じる可能性は高いと思います。

 鞍上の鮫島克駿騎手も、今年は平場だけでなく、重賞での好走が目立っています。ここを勝って、自らもさらに弾みをつけたいと思っているのではないでしょうか。

 前走のGIIIオーシャンS(3月6日/中山・芝1200m)で、このカレンモエを下して重賞3勝目を挙げたコントラチェック(牝5歳)も無視できません。

 1200m戦に転じて3戦目で、ようやくしっかりした走りができましたが、それ以前の2戦も、さばき損ねがあったり、内が伸びない馬場で内枠だったりと、不運が重なってのもの。前向きな性格からして、もともとスプリント戦が合っていたのでしょう。

 レース間隔が多少開いていますが、この春のGIでも活躍が目立ったノーザンファームの生産馬。しかも、名門・藤沢和雄厩舎の管理馬ですから、心配することはないと思います。

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