2021.06.01

ウマ娘でもオグリキャップは食いしん坊。武豊と勝利した2つの名レース

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

 競馬を題材にしたスマホゲーム「ウマ娘 プリティダービー」には、個性豊かな"ウマ娘"たちが数多く登場する。いずれも実在した名馬がモデルとなっているが、その中には食いしん坊キャラが定着しているウマ娘もいる。「オグリキャップ」だ。

1990年の安田記念では武豊と組んで完勝の走りをしたオグリキャップ1990年の安田記念では武豊と組んで完勝の走りをしたオグリキャップ この記事に関連する写真を見る  ウマ娘のオグリキャップは、とにかくよく食べる。たとえばアニメ版では、オグリキャップが登場する際、必ずといっていいほど大量の食事をしていた。走るのと同じくらい、食べることが好きな性格なのかもしれない。

 こんなキャラクターになったのは、実際の競走馬オグリキャップが大食いで有名だったから。牧場時代、雑草でも何でもとにかく口にしていたという。現役時代も、いくら過酷な連戦で疲労が溜まろうと、食欲だけは落ちなかった。

 そんな逸話を持つオグリキャップだが、この馬を語るうえで欠かせないのは引退レースでの復活劇だろう。地方競馬で圧倒的な強さを見せ、やがて中央競馬に殴り込んだオグリキャップ。引退レースまでにGⅠを3勝し、競馬の枠を超えた国民的スターホースになっていた。そのオグリが突如不調に陥り、5歳(旧6歳)となった1990年の夏から秋に3連敗を喫したのである。そこで陣営は、12月の有馬記念(中山・芝2500m)での引退を決め、最後のレースに送り出したのだ。

 スターホースの引退戦。競馬ファンだけでなく、日本全国の人々が見守る中、オグリキャップは勝利を手にしたのである。まさしく競馬史に燦然と輝く感動のシーンだ。

 詳しい有馬記念の話は記事の最後にとっておくとして、このレースでオグリキャップの復活を託されたジョッキーが天才・武豊。そうして勝利を手にしたのだから、これ以上のドラマはない。この有馬記念をもって、オグリキャップと武豊をベストコンビという人も多い。

 ただ、このコンビで挑んだレースはもう1つある。それが、1990年5月のGⅠ安田記念(東京・芝1600m)だ。そしてこのときも、完璧な勝利を飾った。その走りを振り返ると、改めてオグリキャップと武豊はすばらしいコンビだったと思える。