「普通の2歳馬とはモノが違った」ステラヴェローチェの大いなる可能性

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sankei Visual

2021年クラシック候補たち
第4回:ステラヴェローチェ

 3歳牝馬クラシックの有力候補であるソダシ(牝3歳)を管理する栗東トレセンの須貝尚介厩舎。同厩舎では今年、3歳牡馬クラシック戦線においても、非常に楽しみな存在が所属している。

 ステラヴェローチェ(牡3歳/父バゴ)である。

今春のクラシックが楽しみなステラヴェローチェ今春のクラシックが楽しみなステラヴェローチェ 7月にデビューした同馬は、その初陣を飾ると、3カ月の休養を経てGIIIサウジアラビアロイヤルC(2020年10月10日/東京・芝1600m)に挑んだ。

 不良馬場で行なわれた同レースでは、先行した新馬戦とは打って変わって、後方からレースを進めた。そして、4コーナー手前から直線入口にかけて、馬群が一気に凝縮するなか、ステラヴェローチェは大外に進路を取っていった。

 そこから徐々に進出。残り400mあたりで各馬が激しく追い出しを始めるが、それらを尻目に1頭だけ違う脚色を見せて、残り200m付近で難なく先頭に躍り出た。あとは、内であえぐライバルたちを突き放し、2着に3馬身差をつける圧勝劇を演じた。

 デビュー2連勝で重賞制覇を決めた同馬は、続いてGI朝日杯フューチュリティS(12月20日/阪神・芝1600m)に駒を進めた。レースでは中団を追走。直線を迎えて内に進路を取ると、2戦目と同じく強烈な末脚を繰り出した。

 だが、先に抜け出したグレナディアガーズには及ばなかった。4分の3馬身差の2着に終わった。それでも、レコード決着のレースにおいて、メンバー最速タイの上がりを繰り出して善戦。今春の大舞台が楽しみになる走りだった。

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