2020.11.02

アーモンドアイが偉業を達成。
見たいのは無敗の三冠馬たちとの対決だ

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 いつも冷静なクリストフ・ルメール騎手が、目を潤ませながら「喋れない......」と言葉に詰まった。

 GI天皇賞・秋(11月1日/東京・芝2000m)終了後の勝利ジョッキーインタビューでのことだ。

「毎回(アーモンドアイに)乗る時は、プレッシャーがすごいです」と、思わず本音も漏れた。

 日頃から穏やかで、メディアに対応する際にも人懐っこい笑顔を絶やさずに受け答えするが、その笑顔の裏で、実は相当なプレッシャーを感じていたのだ。

 その事実を知って、GIを8つも勝つことがいかに大変か、多くの人々が改めて痛感させられたに違いない。

 シンボリルドルフが芝GI通算7勝を挙げたのは、もう35年も前のこと。以来、時代を代表する名馬たちが、GI7勝をマークしてきた。だが、あと1つが勝てなかった。テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、キタサンブラックらが、GI8勝の壁に阻まれてきた。

 しかし今回、アーモンドアイ(牝5歳)が天皇賞・秋を勝って、ついにその壁を越えた。やはり、アーモンドアイは歴史に残る"スーパー"な馬だ。

天皇賞・秋を制して、JRA史上最多となる芝GI8勝をマークしたアーモンドアイ おそらく、彼女ほどのスーパーホースでなければ、その高い壁を越えることはできなかったはずだ。今回の天皇賞・秋を見て、心からそう思った。