コントレイルが無敗の三冠馬に。宿敵ルメールの戦術に引き出された本気 (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

 これまでは圧倒的な能力差でスマートに勝ち続けてきたが、ここぞの場面を迎えて、まさに「なにくそ!」と言わんばかりの勝負根性を見せた。そこに、コントレイルの"本気"を見た。

 本気にさせたのはもちろん、アリストテレスであり、ルメール騎手である。そして彼らは図らずも、今までのイメージとはやや異なるコントレイルの新たな"引き出し"――泥臭い一面があることまで教えてくれた。

 これで、コントレイルは7戦7勝。先週のデアリングタクトに続いて、無敗の三冠という快挙を成し遂げた。そして、無敗での父子三冠達成は日本競馬史上初の偉業だ。

 次は、いよいよ古馬との対戦が待ち構えている。「世代最強」から日本の「現役最強」をかけた戦いが始まるのだ。

 ともあれ、それはまだ先の楽しみ。今はまだ、アリストテレスの善戦によって、稀に見る名勝負となった菊花賞の余韻に浸っていたい。

 競馬には、やはり名脇役が必要である。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る