世界的な名牝の子オヌール。厩舎スタッフの評価は「姉デゼルより上」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Getty Images

厳選!2歳馬情報局(2020年版)
第20回:オヌール

 世界に名の知れた名牝の娘が今秋、デビューする。

 栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するオヌール(牝2歳/父ディープインパクト)である。

オヌールの母は、フランスでGI2勝を挙げた名牝アヴニールセルタンオヌールの母は、フランスでGI2勝を挙げた名牝アヴニールセルタン 母は、世界的な名牝であるアヴニールセルタン。同馬は2歳秋にデビューすると、3歳の夏までに破竹の6連勝を飾った。その間には、GIフランス1000ギニー(フランス・芝1600m)と、GIフランスオークス(フランス・芝2100m)を制覇。一躍、世界で脚光を浴びる存在となった。

 6連勝以降も、重賞戦線で奮闘。勝利こそ得られなかったものの、その走りは常に注目を集めていた。そして引退後、日本の社台ファームで繁殖生活を送っている。

 彼女の初仔であり、オヌールの姉となるのは、2017年生まれのデゼル(牝3歳)だ。同馬は3歳春にデビューし、2戦目でオープン特別のスイートピーS(東京・芝1800m)を完勝。早々に才能の高さを示して、わずか3戦目にしてGIオークス(東京・芝2400m)へと駒を進めた。

 上がり32秒5の末脚を披露したスイートピーSでの衝撃的な勝ち方とその血統背景から、オークスでは2番人気に推された。しかし、見せ場を作ることができず、11着に敗退。休み明けのGIIローズS(中京・芝2000m)も後方から強襲するが、4着に終わった。

 ともあれ、能力があるのは間違いない。今後の飛躍が期待される1頭だ。

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