1番人気診断。コントレイルはデアリングタクトほど盤石とは言えない (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitu
  • photo by Kyodo News

 ただし、1番人気の中でも、オッズによってその成績は変わる。過去30年の結果を調べてみると、単勝2.0倍~2.9倍だった馬は14頭いて、3勝、2着1回、3着3回、着外7回。勝率は21.4%にすぎない。

 それが、単勝1.9倍以下になると8頭いて、5勝、2着2回、着外1回。勝率は62.5%とグッと上がる。さらに、単勝1.4倍以下に絞ると3頭となり、いずれも勝利を飾って勝率は100%。オッズが下がれば下がるほど、勝つ確率は一気に高まる。

 次にディープインパクト産駒の戦績を見てみたい。2010年に同馬の産駒がデビューして以降、サトノダイヤモンド(2016年)、フィエールマン(2018年)、ワールドプレミア(2019年)と3頭が勝利を飾っている。

 ただし、産駒全体の芝3000m以上の成績を見てみると、勝率は7.7%。芝2000m戦(勝率=13.6%)、芝2400m戦(勝率=15.0%)と比べると、グッと落ちる。

 ディープインパクト産駒でもより絞って、コントレイルと同様、母父アンブライドルズソングという血統で調べると、芝2000mの勝率は22.6%であるのに対して、芝2100m以上の勝率は13.3%と、だいぶ低くなる。ちなみに、同血統で芝3000m以上のレースに出走するのは、今回が初めてだ。

 こうしてみると、牝馬三冠を遂げたデアリングタクトほど、コントレイルは盤石とは言えない。とりわけ、未知なる距離への不安は大きい。能力は断然であっても、思わぬ取りこぼしがあっても不思議ではない。単勝が1.5倍以上になったら、なおさらだ。

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