個性派3頭が有力のスプリンターズS。人気の盲点となるGI馬にご用心 (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 同馬はとにかく、強気の逃げで堂々と勝負するタイプ。以前は、後続に脚を使わせながらも、普通の馬なら「オーバーペースだ」と指摘されるようなハイラップで逃げて、それで自らがどこまで残れるか、という競馬ばかりしていました。

 その分、成績に波がありましたが、今年の高松宮記念ではイーブンペースで勝利。"逃げ方"に幅が出てきて、競走馬として確かな成長を遂げています。今回も先手を取ると思いますが、どんな"逃げ方"を見せるのか、注目されます。

 3頭目は、重賞6勝のダノンスマッシュ(牡5歳)。現在のスプリント界でトップクラスの力があることは明らかですが、GIだけは勝てていません。前哨戦のGIIセントウルS(9月13日/中京・芝1200m)は、貫録勝ち。そのレースぶりからして、いつGIを獲っても不思議はないと思うのですが......。

 ダノンスマッシュは、末脚勝負のグランアレグリアとも、逃げ一辺倒のモズスーパーフレアとも違って、自在性とレース巧者ぶりが武器と言えます。他に行く馬がいなければ、自らが逃げることもできますし、ペースが速いとみれば、控えての競馬もできます。この辺りがかみ合えば、GIでも十分に勝ち負けできると思います。

 当日は、おそらくこの3頭が人気を集めると見ています。キャラクターも、レースでの戦法も異なる3頭ゆえ、流れ次第でどの馬にも勝利のチャンスが巡ってくるでしょうが......個人的にこの中で最も期待しているのはどの馬か? というと、グランアレグリアです。

 何と言っても、ポテンシャルの高さが魅力。デビューから3歳春までのスピード感あふれる走りも秀逸でしたが、長期休養からの復帰戦、阪神Cの勝ちっぷりを見て、「これは、短い距離にシフトしていけば、すごい成績を残せるかもしれないぞ」と、強く感じました。

 高松宮記念では、初めてのスプリント戦で、しかも道悪だったことで、前半はついていけませんでしたが、最後は後方から強襲してハナ差の2着。1位入線のクリノガウディーをはじめ、1着モズスーパーフレア、3着ダイアトニックを含め、上位4頭はどれも素晴らしい競馬を見せましたが、そのなかでも一番凄味のある走りをしていたのは、グランアレグリアだと思っています。

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