オールカマーは実績よりも適性。穴党記者は斬新すぎる穴馬4頭を推す (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 一方、坂本記者が狙うのは、長期休養明けの2頭だ。

「1頭はジェネラーレウーノ(牡5歳)。右前脚の浅屈腱炎で、1年8カ月の長期休養を強いられました。それでも、先週の1週前追い切りでは、美浦の坂路で50秒6-12秒0の一番時計をマーク。終(しま)いもきっちり伸ばして、脚力健在をアピールしました。

 3歳時には、今回と同じ舞台のGIIセントライト記念を完勝。持ち前の先行力とスピード持久力を生かせるコースとの相性は抜群です。時計のかかる今の馬場も、この馬向き。今回は少頭数で、マイペースの逃げも叶いそう。他に行く馬がいなければ、まんまとハマる逃走劇が見られるかもしれませんよ」

 坂本記者が推すもう1頭も、ジェネラーレウーノと同世代の馬だ。

オウケンムーン(牡5歳)です。脚部不安によって、ジェネラーレウーノよりも長く戦列を離れていましたが、3歳時にはGIII共同通信杯(東京・芝1800m)を制すなど、もともと力のある馬でした。

 ジェネラーレウーノが勝ったセントライト記念では、メンバー最速タイの上がりをマークして5着に食い込みました。距離と舞台は合っている印象があります。トニービン系のオウケンブルースリを父に持ち、母の父エリシオという血統から、時計のかかる馬場も合いそうです」

 同馬を管理するのは、国枝栄調教師。人気のカレンブーケドールとの2頭出しとなるが、坂本記者がこちらに目を向ける理由は何なのか。

「美浦の坂路での1週前追い切りでは、カレンブーケドールをあおる勢いの動きを見せていたからです。国枝調教師も『馬体の感じは(休養前と)変わらないが、無駄肉がついていないし、仕上がりはいい。長期休養明けで甘くはないが、動きはいい』と評価していました。ハマれば、一発あってもおかしくありません」

 いよいよ本格化していく秋競馬。これから迎える大舞台を前にして、驚きの激走を見せてくれる馬は登場するのか。ここに挙げた4頭に、そんな期待を託してみるのも悪くはない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る