桜戦線に期待の新星登場。
世代屈指の瞬発力を持つデアリングタクト

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Sports Nippon/Getty Images

2020年クラシック候補たち
第6回:デアリングタクト

 春のクラシックに向けて、その前哨戦やトライアル戦で白熱したレースが繰り広げられているなか、3歳牝馬戦線において、期待の"新星"が現れた。

 栗東トレセンの杉山晴紀厩舎に所属するデアリングタクト(牝3歳/父エピファネイア)である。

エルフィンSを圧勝し、桜花賞へ向かうデアリングタクトエルフィンSを圧勝し、桜花賞へ向かうデアリングタクト 同馬は、昨秋の2歳新馬(11月16日/京都・芝1600m)でデビュー。道中は、中団より少し前につけて追走し、直線の半ばで外に出すと、そこから一気に突き抜けていった。

 鞍上の松山弘平騎手のゴーサインに瞬時に応えて、楽々と先頭でゴールイン。2着との差は1馬身2分の1だったが、着差以上の強さを見せつけた。

 2戦目は、3カ月弱の休養を挟んで、オープン特別のエルフィンS(2月8日/京都・芝1600m)に挑んだ。新馬戦のレースぶりから、3番人気の評価を受けていたが、ここでは、そうした人気をはるかに超える、圧巻の走りを披露した。

 ゆっくりとしたスタートから、後方に待機。馬場の外側をリズムよく追走し、直線を迎えてから、大外に持ち出した。そして、ジワジワと前方馬群をとらえていって、直線半ばで一緒に伸びてきたライティアをムチ一発でかわすと、そこからは独走。松山騎手はほぼ追っていなかったが、後続をグングン突き放して快勝した。

 荒れた馬場の京都で、1分33秒6といった好時計をマーク。2着に4馬身差をつける圧勝劇を演じて一躍、GI桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)の有力候補に浮上した。

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