弥生賞で一発狙うなら、底が割れている馬より新馬勝ち馬に魅力あり (2ページ目)

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

 コントレイルには3馬身半差をつけられましたが、スタート直後に外の馬が内に寄ってきた煽りを受けて接触。位置取りを悪くしてしまった、という不利がありました。上がりの脚は、コントレイルや2着ヴェルトライゼンデとはほぼ変わらなかったので、そのスタート後の不利が、そのまま結果に響いた格好です。

 ハーツクライ産駒らしく、長くいい脚を使うワーケア。反面、ややエンジンのかかりが遅い印象があります。その点については、ホープフルSのレース後、主戦のクリストフ・ルメールも公式コメントとして話していたそうで、後手、後手の展開では持ち味を生かし切れなかった、ということだと思います。

 今回は、ホープフルSよりも少頭数。スタート自体は悪い馬ではないので、前走のような不利がなければ、新馬、アイビーSと2連勝した時と同じく、それなりにいいポジションを取って、レースを運べるはずです。

 近年、毎年のようにクラシック戦線で主役を張る馬に乗っているイメージがあるルメール騎手ですが、今年は今のところ、クラシックに臨む明確な"相棒"が決まっていません。

 今回で、ワーケアにはデビューから4戦連続の騎乗となります。ここでしっかりと結果を出して、胸を張って皐月賞へ向かいたいのではないでしょうか。

 ホープフルS組はほかに、5着オーソリティ(牡3歳)、6着パンサラッサ(牡3歳)、9着ブラックホール(牡3歳)の3頭が出走。不利を受けながら、3着まで押し上げたワーケアに比べると、現状ではいずれも見劣ります。休みを挟んでどれだけの成長があるか、というところですが、この時期にそこまでの急成長を望むのは、酷なような気がします。

 とすれば、伸び盛りの馬のほうに食指が動きます。先にも触れた、国枝栄厩舎が送り込むサトノフラッグです。3連勝で弥生賞制覇となれば、皐月賞本番でも注目を集めることになるでしょう。

 新馬戦では、何となく走る気が欠けていたようなサトノフラッグ。そのため、やや淡泊な負け方を喫しましたが、2戦目の未勝利戦では、まさにガラリ一変という勝ち方を見せました。これは、馬自身のポテンシャンはもちろんのこと、国枝厩舎の調整力のすごさだと思います。

 その未勝利戦(東京・芝2000m)では2歳レコードをマークし、続く1勝クラス(500万下)では、中山・芝2000mで2分01秒4の勝ち時計を記録。使用コースは違うものの、そのタイムはホープフルSでコントレイルがマークした勝ち時計と一緒でした。ここでも、十分に勝ち負けできるのではないでしょうか。

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