2020.02.19

フェブラリーSで「二刀流」GI馬へ。
モズアスコットの真価が問われる

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 それにしても、GIII根岸S(2月2日/東京・ダート1400m)のモズアスコット(牡6歳)は強かった。直線で他馬を追い抜いていく時の脚が、1頭だけ次元が違っているように見えた。

 正直に言えば、筆者はレース前、この馬の馬券を買うか、買うまいか、散々悩んだ挙句、結局は「買えない」と判断した。

 GI安田記念馬で、クリストフ・ルメール騎手が乗る。馬の実力、騎手の手腕とも申し分ない。しかしながら、6歳にして、これが初ダートという点が引っかかった。これまで、同じような挑戦をした馬が凡走し、「やっぱりダートは合わなかった」と、陣営が言い訳するシーンを何度も見てきたからだ。

 ゆえに、この馬もまた「それらと同じだろう」と踏んだ。

 当日は3番人気。それでも、単勝が10倍近い配当(9.9倍)になったことに、筆者同様、評価しようとして"し切れなかった"ファンの、微妙な心理が表れていたように思う。

 だが、終わってみれば、モズアスコットのワンサイドゲーム。単勝1.9倍と断然人気のコパノキッキング(せん5歳)を、ゴール前で、まさに並ぶ間もなくかわして勝った。着差は1馬身4分の1。完勝だった。

「新星」と言うには、いささか歳をとっているものの、他馬を抜き去る終(しま)いの脚には凄みがあった。この馬は、まもなく迎えるGIフェブラリーS(2月23日/東京・ダート1600m)でも、有力な1頭になると思われた。

前哨戦の根岸Sを快勝したモズアスコット