有馬記念はドラマティック。引退馬2頭か実力3歳馬が劇的結末を呼ぶ

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 いよいよ年末の大一番、GI有馬記念(中山・芝2500m)が12月22日に行なわれる。

「グランプリ」の名にふさわしく、11頭ものGIウイナーが出走予定。なかでも、「現役最強馬」アーモンドアイ(牝4歳)が急きょ出走を決めたことで、一段と盛り上がりを見せている。

 そのアーモンドアイだが、当初予定していた香港遠征を熱発で回避した。はたして、状態は万全と言えるのだろうか。日刊スポーツの松田直樹記者はこう語る。

「アーモンドアイは熱発によって、香港遠征を断念しましたが、症状自体は微熱と軽いもの。空輸前日に少し体調を崩して、いわゆる"大事をとった"だけですから、その後の調整に大きな影響を及ぼすことはありません。

 香港遠征を回避した直後、同馬を管理する国枝栄調教師も、『有馬記念出走に向けて調整を続けていけば、十分な態勢で(レースに)出走させられるだろう』と(獣医師ら他の関係者が)有馬記念出走へのゴーサインを出す前から、前向きな姿勢を見せていました。実際にゴーサインが出てからは、かなり順調にきています」

 有馬記念における1番人気は、過去10年で5勝、2着3回、3着1回、着外1回と、GIの中でも群を抜いた安定感を誇る。それでも、馬券圏内(3着以内)には人気薄の馬が頻繁に突っ込んできており、例年1番人気が絡んでもそこそこオイシイ配当が生まれている。

 では、どういった馬が"穴馬"となり得るのか。松田記者は「激走のポイントは"引退レース"」と言う。

「今年、有馬記念が引退レースとなるのは、アエロリット(牝5歳)、アルアイン(牡5歳)、クロコスミア(牝6歳)、シュヴァルグラン(牡7歳)、リスグラシュー(牝5歳)、レイデオロ(牡5歳)の6頭。波乱を演出するだけでなく、アーモンドアイを負かすほどの激走を見せる馬がいるとしたら、この中にいるような気がしています」

 有馬記念でフィナーレを飾ってきた馬と言えば、ディープインパクトやオルフェーヴル、キタサンブラックなど、人気馬による例が多いが、かつてはオグリキャップ、最近でもジェンティルドンナなど、人気を落としながら最後に復活劇を披露。好配当を生んで、花道を飾ってきた馬も少なくない。

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