有馬記念に圧倒的に強い血統あり。格下でも脚質も合う2頭がくるぞ

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 12月22日、中山競馬場でGⅠ有馬記念(芝2500m)が行なわれる。

 有馬記念は年末の風物詩として認知され、競馬ファン以外の方も、「日本ダービー」とともに名前を知っているレースだろう。12月28日にもGⅠのホープフルS(中山/芝2000m)はあるが、このレースを毎年の競馬の締めくくりとして、「的中していい新年を迎えたい」という人も多いだろう。

 今回は血統的見地から、このレースを分析してみよう。この中山芝2500mというコースにはかなり特徴的な傾向がある。ステイゴールド産駒が圧倒的に強いのだ。

 1986年以降の中山芝2500mの種牡馬別成績を見ると、ステイゴールドは166戦25勝で1位。2位の大種牡馬サンデーサイレンス(185戦19勝)、6位のディープインパクト(73戦6勝)を上回る数字を残している。勝率も15.1%と、サンデーサイレンス(10.3%)を大きく引き離している。

 有馬記念でも、2009年ドリームジャーニー、2011年オルフェーヴル、2012年ゴールドシップ、2013年オルフェーヴルの4勝。そのほか、2012年にはオーシャンブルーが2着、2013年と2014年にはゴールドシップが3着に入っている。

 今年はウインブライト、エタリオウ、クレッシェンドラヴ、クロコスミア、スティッフェリオの5頭がエントリー。ウインブライトは回避予定、クレッシェンドラヴは除外対象なので、現在のところそれ以外の3頭が出走可能となっている。

 その中で筆者が狙いたいのが、6歳牝馬のクロコスミア(牝6歳/栗東・西浦勝一厩舎)だ。

前走のエリザベス女王杯で2着に入ったクロコスミア前走のエリザベス女王杯で2着に入ったクロコスミア この馬はGⅠエリザベス女王杯(京都/芝2200m)で3年連続2着。重賞は2017年GⅡ府中牝馬S(東京/芝1800m)の1勝だ。中山では2戦して、2016年OPターコイズS(芝1600m)で14着、今年のGⅢ中山牝馬S(芝1800m)で6着という成績が残っている。

 今回の強力メンバーに入ってのこの成績は"格下感"が否めないが、それでもこの馬を推したい理由は血統と脚質だ。前述のように、父ステイゴールド産駒はこのコースとの相性がよく、さらに母系にも、このレースと相性がいい血が多く見られる。

 まずは祖母の父ナシュワンの、そのまた父であるブラッシンググルーム。同馬は1995年の勝ち馬マヤノトップガン、2000年の勝ち馬テイエムオペラオーの母の父で、一昨年と昨年に3着に入ったシュヴァルグランの3代母の父でもある。次に、母の父ボストンハーバーの父系祖父シアトルスルー。これは2002年、2003年に連覇したシンボリクリスエスの母の父、ゴールドメリディアンの父だ。

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