春の実績馬が不在のセントライト記念。狙いは人気薄の夏の上がり馬

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 3日間開催となる今週、阪神競馬場ではGI秋華賞(10月13日/京都・芝2000m)トライアルのGIIローズS(9月15日/芝1800m)、中山競馬場ではGI菊花賞(10月20日/京都・芝3000m)トライアルのGIIセントライト記念(9月16日/芝2200m)と、秋の3歳GIに向けて重要な前哨戦が行なわれます。

 ローズSは、ダノンファンタジーやシゲルピンクダイヤ、ビーチサンバに、ウィクトーリアといった春の活躍馬が出走し、見応えのあるレースになりそうですが、馬券的にはセントライト記念のほうが、妙味がありそうです。そこで、ここではセントライト記念について分析していきたいと思います。

 今年は、GI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)を勝ったロジャーバローズがその後に屈腱炎を発症。残念ながら、すでに現役を引退しました。その他、GI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)の覇者サートゥルナーリアと、同2着馬で、ダービー3着のヴェロックスが次週のトライアル、GII神戸新聞杯(9月22日/阪神・芝2400m)に出走予定。そして、ダービー2着のダノンキングリーは、古馬相手のGII毎日王冠(10月6日/東京・芝1800m)に向かうようです。

 そのため、今年のセントライト記念には、今春のクラシックで上位争いを演じた馬たちが不在。実績で言えば、ダービー5着のニシノデイジー(牡3歳)が最上位といった感じでしょうか。しかし、同馬も"受けて立つ"と言えるような立場ではありません。

 基本的にこのレースは、2014年のイスラボニータ(皐月賞1着、ダービー2着)や、2016年のディーマジェスティ(皐月賞1着、ダービー3着)など、ダービー以来の出走となる実績馬が強いですが、そうしたレベルの馬が不在となれば、どの馬にも勝つチャンスはありそうです。その分、菊花賞出走の権利をかけて、かなり白熱した戦いが繰り広げられるのではないでしょうか。

 そんななか、最も注目しているのは、ザダル(牡3歳)です。今春のクラシックには参戦していないものの、まだ底を見せていない点が魅力です。

 年明けにデビューしてから、ここまで3戦3勝。前走は、ダービートライアルのオープン特別・プリンシパルS(5月12日/東京・芝2000m)で見事な勝利を飾りました。

 ただ、同レースは雹(ひょう)の影響で1週順延されて開催。おかげで、出走馬は再輸送かつ、本番のダービーまで中1週という厳しい条件でのレースを強いられました。

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