2歳女王の妹ルリエーヴル。牧場スタッフは「注文なし」と期待はでかい
厳選!2歳馬情報局(2019年版)
第14回:ルリエーヴル
有力2歳馬のデビュー時期が年々早まっており、今年も数多くの良血馬、期待馬がすでに初陣を飾っている。とはいえ、これからデビューを迎える注目の逸材はまだたくさんいる。
その1頭が、栗東トレセンの松永幹夫厩舎に所属するルリエーヴル(牝2歳/父ロードカナロア)である。
ラッキーライラックの妹、ルリエーヴル 彼女への期待を語るうえでは、2つ上の姉の存在が欠かせない。今も現役として活躍しているラッキーライラック(牝4歳/父オルフェーヴル)である。
ラッキーライラックは、2歳の8月にデビュー。その初戦を快勝すると、2戦目でいきなりGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)に挑んだ。2番人気に評価されるなか、3、4番手から抜け出す大人びた競馬を見せて連勝。一気に重賞ウィナーとなったのだ。
快進撃は、さらに続く。3戦目では、GI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)に出走。道中8番手の位置取りから、直線で力強く伸びて鮮やかな勝利を遂げた。メンバー最速の上がり33秒7という末脚を披露し、3連勝で2歳女王の座に就いた。
そして、3歳クラシックの前哨戦、GIIチューリップ賞(阪神・芝1600m)も難なく勝利。デビューから4連勝で、クラシックの"主役"となった。
ただ、そのクラシック本番では、牝馬三冠を遂げたアーモンドアイに主役の座を奪われてしまった。GI桜花賞(阪神・芝1600m)で2着、GIオークス(東京・芝2400m)では3着と、現在「現役最強」と呼ばれる名牝の前に涙した。
以降、勝ち星からは遠ざかっているものの、古馬になってからも重賞戦線で奮闘。牡馬相手のGII中山記念(中山・芝1800m)では2着と好走した。
そんな姉を持ち、母ライラックスアンドレースも現役時代にアメリカのGIを制した実力馬というルリエーヴル。その血のクオリティは極めて高い。同馬の育成を担当したノーザンファーム空港牧場の伊藤賢氏は、春の取材でこんな手応えを口にしていた。
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