来春を占う新潟2歳S。同じ産駒の勝率が高い2頭が本命だ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Reuters/AFLO

 続いて挙げたいのは、ロードカナロア産駒のタイムマシン(牡2歳/美浦・手塚貴久厩舎)。ロードカナロアは産駒デビューが2017年と日が浅いが、新潟芝1600mではすでに7勝(33戦)を挙げて勝率は21.7%と、ハーツクライ産駒よりも高い数字を記録している。昨年の勝ち馬ケイデンスコールがまさにロードカナロア産駒。産駒が昨年から今年にかけて6勝を挙げているのは、全種牡馬の中でもトップの数字だ。

 近親に重賞の勝ち馬こそいないものの、おばにGⅡフローラS(東京・芝2000m)3着のブリガドーン、おじにGⅢラジオNIKKEI賞(福島・芝1800m)3着のダイバーシティなど重賞で好走した馬がいる。ちなみに、鞍上の石橋脩騎手は、昨年のケイデンスコールに騎乗していた騎手でもある。

 1頭、穴で挙げておきたいのがトロワマルス(牝2歳/美浦・杉浦宏昭厩舎)だ。日本ダービー馬エイシンフラッシュの父としても知られる、キングズベスト産駒の芝1600mでの勝利は2勝(77勝中)と少ないが、母セキショウは2歳未勝利(新潟・芝1800m)、日本海S(1600万下、新潟・芝2200m)と2勝を挙げた"新潟巧者"。トロワマルスが勝利した新馬戦は新潟芝1400mだったが、ゴール前では手綱を抑える余裕で2着に2馬身差をつけての快勝だった。

 同レースの1000m通過は58秒5と、2歳戦にしては速いペースとなっており、ハイペースで前崩れの展開がこの馬に向きそうだ。なお、同馬の3代母ダイナシュートは1984年のこのレース(当時は「新潟3歳S」のレース名で右回り芝1200m)の勝ち馬。母だけでなく、牝系としても新潟は相性のいい舞台だ。

 以上、今年の新潟2歳Sは、ウーマンズハート、タイムマシン、そしてトロワマルスの3頭に注目したい。

■平出貴昭 著
『一から始める! サラブレッド血統入門』(KADOKAWA)

詳細はこちら>>

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る