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オークスは有力馬に懸念がチラリ。
好走条件を満たす馬がズバリ、いる

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

"競馬の祭典"日本ダービーが次週に開催されます。早いもので、今年の春競馬もいよいよ佳境に入ってきましたね。

 その大一番を前にして、今週も注目のGI、3歳牝馬の頂点を決める優駿牝馬オークス(5月19日/東京・芝2400m)が行なわれます。

 日本ダービーと同じ東京・芝2400mで争われますが、牡馬と違って牝馬のトライアルレースは2000m戦が最長。ゆえに、出走馬のほとんどが初めて経験する距離となり、3歳春の時点ではまだまだ華奢な牝馬にとっては、非常にタフな舞台となります。

 そのため、大半の騎手は折り合いをつけて、なるべく体力を温存しようと心がけます。その結果、通常の2400mの競馬に比べて、タメにタメての直線だけの競馬になることが多いです。そんなこともあって、距離が800m延びても、桜花賞組の好走が目立つのだと思います。

 そうした傾向を踏まえて、今年は桜花賞馬が出走しませんが、それでもまずは桜花賞(4月7日/阪神・芝1600m)組に注視すべきでしょう。

 なかでも、2着と最先着しているシゲルピンクダイヤは有力な1頭です。その実績はもちろん、あの強烈な決め手は、東京コースでより大きな武器になると思います。

 ダイワメジャーの仔ということで、距離への懸念は確かにあるのですが、前述のとおり、マイラーでも好走できる要因があって、将来はともかく、今回に関してはそこまで心配しなくてもいいと思います。

 それよりも、気になるのは初の関東圏での競馬になること。つまり、長距離輸送をクリアできるかどうか、ということです。

 ただこれは、今さらどうこう言っても仕方がないこと。競走馬には当たり前にあることですからね。関西の牝馬だと、3歳春の段階ではそうした機会も少ないですし、初体験でも無難に克服してくれることを願うしかありません。

 その"東京コースを経験している"という意味では、桜花賞3着のクロノジェネシスのほうにアドバンテージがあります。しかも、今回が3回目。加えて、過去2回とも勝利を挙げています。経験もそうですが、コースとの相性がいいのは強調材料になりますね。

 不安があるとすれば、成長力でしょうか。先週のヴィクトリアマイルで、半姉のノームコアが古馬になってGI制覇を成し遂げましたが、父ハービンジャーがバゴに代わってどうなのか。前走の桜花賞が、デビュー以来最低体重だったことも少し気がかりです。

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