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サートゥルナーリアは本当に一強か。
ぶっつけの皐月賞に隠された不安

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Kyodo News

「一強」という声も聞こえてくる今年の3歳牡馬クラシック戦線。

「一強」とは、無論サートゥルナーリアのことだ。

 ここまで3戦3勝。しかも、3戦とも鞭を一度も使うことなく、いわゆる"ノーステッキ"での楽勝だった。

 とりわけ、印象に残るのは、昨年暮れのGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)。直線に入って前が壁になり、出るに出られない状況を迎えた瞬間、誰もが「危うし!」と思ったはずだ。しかし、サートゥルナーリアは馬と馬の間にできたわずかな隙間を見つけるや、一瞬にして馬群を割って、"異次元の脚"で突き抜けていった。

GIホープフルSを快勝したサートゥルナーリア(左)GIホープフルSを快勝したサートゥルナーリア(左) クラシックを勝つ馬は、とても届きそうにないところから跳んでくるとか、どこか常識外と思えるような強さを見せる――そんな話を以前、あるジョッキーから聞いたことがある。

 臨戦過程で、そういうミラクルな勝ち方をした馬こそ、クラシックホースにふさわしい、というわけだが、サートゥルナーリアのホープフルSでのパフォーマンスは、まさにその言葉に適うものだ。

 さらに、GI2勝のエピファネイア、GI朝日杯フューチュリティSを制した2歳王者リオンディーズを兄に持ち、血統的な背景も申し分ない。

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