共同通信杯、人気の実績馬2頭を負かすのは東京コースが合うあの馬だ (2ページ目)

 ところで、中山で開催されていた時代も含めて朝日杯の勝ち馬は、おおよそ3月のGII弥生賞(中山・芝2000m)かGIIスプリングS(中山・芝1800m)で年明け初戦を迎えていました。それは、GI戦における激戦の疲れを抜くために少し長く休ませたい、なおかつ寒い厳冬期に無理はさせたくない、という理由があってのことでしょう。

 そうした傾向にあって、アドマイヤマーズが少し早いここから始動するのは、少し気になります。というか、何らかの意図を感じますね。

 クラシックへ向けて、距離を徐々に伸ばすことを考慮しているのならば、例年の勝ち馬同様、スプリングSからの始動でいいと思います。ではなぜ、休養期間を短くして、寒い時期から始動するのでしょうか。

 推測するに、ひとつは東京コースを経験するため。クラシック第1弾となるGI皐月賞(中山・芝2000m)の次に向かう大舞台は、GI NHKマイルC(東京・芝1600m)かGI日本ダービー(東京・芝2400m)となり、そこに向かう前に東京コースを経験するには、この共同通信杯しかないからです。

 現に、過去にも多くの関西馬がここをステップにしてクラシックに挑んでいます。つまり、クラシックで勝ち負けを狙う陣営のステップとしては、極めて"自然"ということです。

 また、馬の性格的に「あまり長く休ませたくない」という意図もあるかもしれません。休みが長くなってしまうと、気性的にピークへ持っていくまでに時間がかかる馬もいますからね。前々走、およそ3カ月半の休養を得て臨んだGIIデイリー杯2歳S(1着。2018年11月10日/京都・芝1600m)の際に、陣営としては何かを感じたのかもしれませんね。

 何はともあれ、アドマイヤマーズを管理しているのは、クラシックでの実績がある友道康夫厩舎。何か意図のあるローテーションだとしても、マイナスではなく、プラスに考えていいのではないでしょうか。目標はあくまでも先なので、取りこぼす可能性はありますが、恥ずかしい競馬はしないはずです。

 ちなみに、朝日杯を勝って年明けの始動戦が共同通信杯だった馬を探してみると、2006年のフサイチリシャール(2着)まで遡(さかのぼ)らなければいけませんでした。

 それ以前には、1994年のナリタブライアン(1着)、1990年のアイネスフウジン(1着)、1988年のサクラチヨノオー(4着)がいました。思えば、この3頭はその年のダービー馬に輝いていますね。あくまでも参考ですが......。

 一方、クラージュゲリエはどうでしょうか。

 この馬もまた、東京コースを経験することが大きな目的のひとつでしょう。そのことだけを捉えれば、有力な1頭にも思えますが、同馬を所有するのが大手のクラブ馬主というのが気になります。

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