平成最後の有馬記念で、「レジェンド」オジュウチョウサンに馳せる夢

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 オジュウチョウサン(牡7歳)が有馬記念(12月23日/中山・芝2500m)挑戦を表明してから、にわかに注目を集めた馬がいる。

 1992年の有馬記念を勝ったメジロパーマーだ。

 両者には、ともに"障害帰り"という共通点がある。

 競走馬として、ワンランク低く見られがちな"障害帰り"でも、メジロパーマーのように有馬記念を勝った馬がいる。オジュウチョウサンだって――という論法で引き合いに出されたわけである。

オジュウチョウサンは有馬記念でどんな走りを見せるかオジュウチョウサンは有馬記念でどんな走りを見せるか ただ、同じ"障害帰り"でも、メジロパーマーとオジュウチョウサンに共通するところは、そう多くない。

 メジロパーマーは、1991年に障害レースを走る前、すでにその年の札幌記念(当時GIII、現在はGII。札幌・芝2000m)を制した重賞ウイナーだった。ところが、生まれながらに気性が悪く、札幌記念後は重賞ウイナーらしからぬ凡走を繰り返したため、先々を危ぶんだ陣営の判断によって、障害に活路を求めることになった。

 余談だが、このメジロパーマーの同期には、メジロマックイーンとメジロライアンという2頭のGI馬がいた。当時の有力牧場主兼馬主だった『メジロ』のオーナーにとっては、いわゆる当たり年。それゆえ、いかに重賞ウイナーとはいえ、この2頭ほど期待されていなかったメジロパーマーを障害馬にすることは、さほどためらいがなかったと思われる。

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