2018.12.07

ナンバーワン不在の阪神JF。
ピックアップしたいのは魅力的な良血3頭

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yamane Eiichi/AFLO

 12月9日、阪神競馬場では2歳牝馬によるGI阪神ジュベナイルフィリーズ(芝1600m)が行なわれる。

 2歳女王を決めるこの1戦だが、今年はちょっと珍しい状況になっている。GIIIサウジアラビアロイヤルC(東京・芝1600m)を圧勝し、現時点で2歳牝馬ナンバーワンと見られているグランアレグリア(牝2歳/美浦・藤沢和雄厩舎)が、騎手の都合などからこのレースを回避。翌週に行なわれる牡馬混合のGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)に向かうのだ。

 今回はいわば”ナンバーワン不在のレース”となるが、決して低レベルのレースではない。将来性豊かで、グランアレグリアを脅かす存在になりうる、魅力的な馬が揃っている。今回はその中から3頭をピックアップした。

 その筆頭はダノンファンタジー(牝2歳/栗東・中内田充正厩舎)だ。

11月にファンタジーSを制したダノンファンタジー 6月3日の2歳新馬(東京・芝1600m)ではグランアレグリアに敗れた(2着)が、3カ月半後の未勝利戦(阪神・芝1600m)で勝ち上がり、前走のGIIIファンタジーS(京都・芝1400m)では1番人気に応えて快勝した。そのレースぶりは実に安定しており、スッと好位につけて直線で反応鋭く伸び、余裕十分の勝利を見せている。

 同馬は血統も優秀だ。父ディープインパクトは言わずと知れたリーディングサイアーで、産駒はこのレースで2011年ジョワドヴィーヴル、2014年ショウナンアデラの2勝。母ライフフォーセールは、アルゼンチンでダート2000mと2200mとGIを2勝している馬だ。ファンタジーSは1400mだったが、血統的には距離が延びたほうがよさそうなため、今回も有力だろう。

 続いてはクロノジェネシス(牝2歳/栗東・斉藤崇史厩舎)。同馬は9月2日の2歳新馬(小倉・芝1800m)と、前走のOPアイビーS(東京・芝1800m)を連勝してここに臨む。アイビーSといえば、一昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬、ソウルスターリングが勝利したレース。クロノジェネシスは好位4番手追走から直線で鋭い脚を繰り出し、2着コスモカレンドゥラに2馬身差をつけて完勝した。勝ちタイム1分48秒6はソウルスターリングの1分48秒9を上回り、上がり3Fの32秒5は、東京の2歳戦勝ち馬では史上最速という素晴らしいものだった。