世界の競馬を席巻するゴドルフィンが
自信を持って送り出すエデリー

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第27回:エデリー

 あらゆる国のレースでビッグタイトルを獲得し、まさしく世界の競馬で猛威をふるっている競走馬の管理グループがある。『ゴドルフィン』だ。

 1992年に設立されたこの組織は、UAE(アラブ首長国連邦)の副大統領であるシェイク・モハメド殿下が率いる馬主・生産団体。欧州、北米、オーストラリア、アジアの4大陸にまたがり、十数カ国で競走馬を所有している。

 組織の大きさはもちろんだが、何より特筆すべきは、その成績だ。競馬の母国イギリスでは、これまでに10回以上、チャンピオントレーナーの座を射止めている。北米でも、競馬界の年度代表表彰『エクリプス賞』で最優秀馬主を受賞したことがある。

 もちろん、各国のGIを制した名馬も数多く世に送り出している。代表馬を挙げればきりがないが、GI通算4勝を挙げ、2000年のGIドバイワールドカップ(UAE・ダート2000m)で6馬身差の圧勝劇を演じたドバイミレニアムや、GI通算6勝を挙げて、2000年、2001年と当時行なわれていたワールドレーシング・チャンピオンシップ()で2年連続の優勝を果たしたファンタスティクライトらは、世界的に名を馳せた名馬だ。
※1999年~2005年まで行なわれていた競馬の世界選手権シリーズ。凱旋門賞をはじめ、ブリーダーズカップやジャパンCなど、シリーズ対象レースでの成績をポイント化して年間総合順位を決定。競走馬に限らず、ジョッキー、調教師、馬主も表彰された。

 また、今年のGIイギリスダービー(イギリス・芝2410m)を勝ったマサーなど、今なお活躍馬を次々に出しており、ゴドルフィンの勢いに衰えはない。同グループが使用するロイヤルブルーの勝負服は、世界中の競馬ファンにとって、お馴染みとなっている。

 日本でも『シェイク・モハメド』名義で競走馬を走らせていたが、今年3月より『ゴドルフィン』と名義を変更。勝負服も、ロイヤルブルーをメインとしたものに一新された。

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