天皇賞・秋の制覇に近いのはクラシックとは無縁だった明け4歳馬だ (2ページ目)

 対して、右回りでは、今春のGI大阪杯(4月1日/阪神・芝2000m)こそ勝利しましたが、その大阪杯を含めて、GI皐月賞(6着。中山・芝2000m)も、GI有馬記念(4着)も、どこかレースぶりが窮屈そうに見えました。

 右回りと左回りでは、大きくパフォーマンスが変わると思うんです。だからこの春も、大阪杯を勝ったあと、距離適性よりも左回りという点を重視して、GI宝塚記念(6月24日/阪神・芝2200m)ではなく、あえて安田記念に向かったのでしょう。

 2000mという距離も、右回りのGIを制したように、ベストの距離と言えるでしょう。今回は、スワーヴリチャードにとって、まさしく得意の舞台。それだけで、重要視するに値します。

 3歳時のクラシックで後塵を拝した皐月賞馬のアルアイン(牡4歳)と、ダービー馬のレイデオロ(牡4歳)。アルアインにはその後のレースでリベンジを果たしているだけに、ここではレイデオロを下せるかどうか。必見です。

 当然、そのレイデオロも中心的な存在です。何が「中心」かというと、馬券という意味よりも、レースにおける"中心"です。他馬が最初にマークする――つまり、この馬の動き方ひとつでレースも動く、そんな存在だと思います。

 というのも、それだけの実績があるのはもちろんですが、どのようにでも動ける自在な脚質の持ち主で、何より鞍上が目下GI連勝中のクリストフ・ルメール騎手だからです。

 先週の菊花賞も「お見事」としか言いようのない好騎乗でした。もし、彼より後ろの位置でレースをしていた場合、彼の真後ろについていけば、ロスなく競馬ができるはずです。競輪のようですが、競馬でも意外とそういうところがあるんですよね。

 東京・芝2000mという舞台は、余程の乱ペースにならない限り、実力どおりの結果になりやすいコースです。今のルメール騎手ならば、レイデオロをうまく誘導していくのではないでしょうか。

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