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天皇賞・秋の制覇に近いのは
クラシックとは無縁だった明け4歳馬だ

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 秋華賞は、オークスからぶっつけで臨んだアーモンドアイが牝馬三冠を達成。そして菊花賞は、1800mまでしか距離経験がなく、しかも夏の福島以来という異例の臨戦過程で挑んだフィエールマンが勝利を飾りました。

 この2頭はともに、過去のデータや傾向に当てはまらない、まさに型破りな存在です。おかげで、これまでの常識が通用しない、最近の競馬を象徴するような結果になりましたね。

 そして今週は、古馬王道の"秋の三冠"第1弾となる、GI天皇賞・秋(10月28日/東京・芝2000m)が行なわれます。

 近年は、このあと行なわれる残りの二冠、GIジャパンC(東京・芝2400m)やGI有馬記念(中山・芝2500m)のほうが、賞金が高いため、この天皇賞・秋をパスする馬が増えていました。しかし今年は、出走予定13頭のうち、半分以上の7頭がGI馬、しかも明け4歳のバリバリのオープン馬がこぞって顔をそろえました。

 ワグネリアンやダノンプレミアムら3歳馬が参戦できなくなってしまったのは残念ですが、それでも十分に見応えのあるレースが期待できる面々が集結し、スタートがとても待ち遠しくなりましたね。

 まず注目は、その明け4歳馬。この世代の皐月賞馬、ダービー馬、菊花賞馬と、クラシック三冠すべての勝ち馬が名を連ねましたが、左回りの東京・芝2000mという舞台を考えれば、その3頭よりも、スワーヴリチャード(牡4歳)のほうが気になります。

 左回りは、これまで6戦して3勝、2着2回、3着1回。馬券圏内(3着以内)を外したことがありません。

 2回の2着にしても、まだ成長途上にある、2歳時のGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)と、3歳春のGI日本ダービー(東京・芝2400m)。3着に終わったのも、初めてのマイル戦をGIで迎えた前走・安田記念(6月3日/東京・芝1600m)と、それぞれ敗因がありました。

 逆に勝ったGIII共同通信杯(東京・芝1800m)、GIIアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)、GII金鯱賞(中京・芝2000m)は、GIではないものの、どれも圧勝でした。

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著者プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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