確かな実力を秘めたリスト。
不運に泣かされた兄たちの無念を晴らすか
厳選!2歳馬情報局(2018年版)
第15回:リスト
今年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)を制したワグネリアン(牡3歳)と、デビュー戦で熾烈なマッチレースを繰り広げた馬がいる。早い段階から素質を高く評価されていたヘンリーバローズ(牡3歳/父ディープインパクト)である。
同馬は生まれたときから注目され、順調に育成段階を過ごすと、多くのファンから絶大な期待が寄せられた。ゆえに、初陣から単勝1.7倍と、ワグネリアンらを抑えて断然の1番人気に支持された。
その一戦が、昨夏の2歳新馬(2017年7月16日/中京・芝2000m)。レースは前半の1000mが67秒という超スローペースとなり、直線を迎えると、ヘンリーバローズとワグネリアンが抜け出した。
2頭が繰り出した末脚は、他馬とは次元が違った。ワグネリアンが上がり32秒6という切れ味を披露すれば、ヘンリーバローズもファンの期待どおり、上がり32秒8という時計をマークして応戦した。だが、わずかに前に出て勝利を飾ったのは、ワグネリアンだった。
それからおよそ2カ月半後、ヘンリーバローズは2戦目となる2歳未勝利(2017年9月30/阪神・芝1800m)に出走。好スタートから先頭を切って、直線に入ってからも1度もムチを使うことなく、後続を4馬身突き離した。
まさに評判どおりの圧勝劇で、レベルの違いをアピール。苦杯を舐めさせられたワグネリアンが連勝街道を進む一方で、ヘンリーバローズも同馬に劣らぬ能力があることを改めて証明した。
しかし不運にも、それ以降は体調が整わず、ヘンリーバローズは長期休養を余儀なくされている。新馬戦での激闘からして、順調なら日本ダービーでワグネリアンと覇権を争っていたのではないだろうか。
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