オークスは絶対能力。有力2頭の疑問視は「イテテッ」と大ケガするぞ (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yamane Eiichi /AFLO

 例えば、2011年の勝ち馬エリンコート。その父デュランダルはGIマイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)2勝とGIスプリンターズS(中山・芝1200m)を勝ち、勝利距離は1200~1600mと、ロードカナロアと同じようなタイプだった。また、2010年の勝ち馬アパパネは、父がダービー馬キングカメハメハだったとはいえ、母ソルティビッドは1200mまでしか勝ち鞍がないスプリンターだった。

 近年の代表的な例を2つ挙げたが、オークスに関してはまだ他にも同様のケースはある。アーモンドアイは父が短距離タイプとはいえ、母フサイチパンドラは2006年オークスの2着馬で、その後GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)、GII札幌記念(札幌・芝2000m)を勝った中距離タイプだっただけに、母系からのサポートは強力だ。後方で脚をためて差すタイプの馬もオークスでは好成績を残す馬が多く、その意味でも、大きく評価を下げる必要はないだろう。今回も有力馬の1頭として重要視したい。

 対するラッキーライラックは父が三冠馬のオルフェーヴルで、その父ステイゴールド産駒の牝馬はレッドリヴェール(阪神ジュベナイルフィリーズ勝ち馬)、アドマイヤリード(GIヴィクトリアマイル勝ち馬)などマイラーが多いが、オルフェーヴルは母の父に名ステイヤーのメジロマックイーンが入ってスタミナ色が濃く、父系からの不安は少ない。

 母の父フラワーアリーは米GIトラヴァーズS(ダート10F=約2000m)などを勝ち、種牡馬として米2冠馬アイルハヴアナザーなどを送る中距離タイプ。ラッキーライラックはレースぶりも好位から抜け出すセンスある走りを見せており、距離延長にも難なく対応できそうなタイプだ。安定感や信頼度ではアーモンドアイを上回ると言っていいだろう。これまでの走りを考えても、桜花賞上位2頭の信頼度は高い。

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