ダノン皐月賞回避で異状あり!
激変する最新「3歳牡馬ランキング」

  • text by Sportiva
  • photo by Yasuo Ito/AFLO

 やはり、というべきか、今年2月に発表した前回のランキングからガラリと変わった。

 1位は、前回まで2位だったダノンプレミアム。それまで1位だったワグネリアン(牡3歳/父ディープインパクト)との直接対決(弥生賞)で鮮やかな勝利を収め、その結果を受けて即座に評価が逆転した。しかも、万票での首位奪取となったが、皐月賞でその雄姿を見ることができないのは残念でならない。

市丸氏
「弥生賞でワグネリアンとの覇権争いを制しました。そこでつけた1馬身半差は『決定的な差だった』という論調も見られます。皐月賞に出走していれば、よほどのアクシデントでもない限り、これまで下した相手に逆転を許すことはないと思っていました。それほど、ダノンプレミアムの完成度は抜けています。

 弥生賞では、4角手前から馬場の悪い内側を避けて外に持ち出す余裕を見せ、先頭に立つと気合をつける程度で加速。最後は抑える余裕を見せての完勝でした。今のところ、まったく弱点が見つかりません」

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「今年初戦の弥生賞。当面のライバルたちが集った超ハイレベルの前哨戦になったことで、戦前の陣営ははっきりと『不安です』とコメントを残し、慎重な姿勢を見せていました。

 しかし、結果は危なげなく2番手から抜け出して快勝。レースラップが11秒0と速まる4角あたりで、ダノンプレミアムはゆったりと回りながらも逃げ馬を捕らえ、ワグネリアンとの差を一気に広げました。その加速力は強烈でした。大きいストライドでリズムよく走り、後続を封じ込める勝ちっぷりは『王者の走り』と言っていいでしょう。

 こうしてみると、まったく死角がないように見えますが、パドックでは2人引きでチャカつく時間が多く、レース中もハミを噛んで力んでいるシーンが朝日杯FSのときよりも多く見られたのは心配です。

 もともとダノンプレミアムは矯正力の強いリングハミを使用しています。口向き、ハミ受け、折り合い、舌がハミを越すなど、何かしらの不安要素があるのは事実。弥生賞は少頭数で自分との戦いに終始できましたが、多頭数での折り合いにはまだ一抹の不安があります。とはいえ、この不安が少しでも解消されれば、距離延長の克服も可能です」

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