スプリングSはステルヴィオにあらず。
怪物息子に「奇跡の春」がくる (3ページ目)
一方、父オルフェーヴルが快進撃を始めたのは7年前のスプリングS。東日本大震災の影響で阪神開催ではあったが、このレースで重賞初制覇を飾り、そこからクラシック3冠と有馬記念を含む6連勝。一気に名馬へと成長した。
早熟だった母、3歳春からに急激に力をつけた父。両親のピーク時と飛躍の時が、まさしくこの3歳3月という時期だ。エポカドーロも3カ月ぶりの実戦となった前々走で体重を14kgも増やしていたように、昨秋からの成長が著しい。力強い差し脚が武器だった父とは異なり、逃げる競馬で結果を残していてタイプは違うが、先週のGIII中山牝馬S(中山・芝1800m)でも6番人気のカワキタエンカが逃げ切ったように、このコースは先行力が大きな武器になる。父と同じく、このレースが飛躍の舞台となる可能性は高いだろう。期待したい。
最後に人気を集めそうなルーカス(牡3歳・堀宣行厩舎)にも触れておこう。東京スポーツ杯2歳Sではワグネリアンの2着に入ったが、前走のホープフルSでは2番人気ながら6着と敗れ、それ以来約3カ月ぶりの出走となる。全兄モーリスもこのレースで4着に敗れ、4歳になってからGIを6勝する名馬に育ったように、この血統の本格化はまだ先だろう。今回は押さえの評価としておきたい。
◆タイムフライヤーは、もうGI馬なのに「よくなるのはダービーの頃」>>
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