ダノンプレミアムとワグネリアン、弥生賞でわずかにリードはどっち? (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Yamane Eiichi /AFLO

 ちなみに、カデナが勝った昨年の弥生賞は1000m通過が1分03秒2のスローペースだった。スローペースになると、スピードのあるダノンプレミアムは逃げる形になることも考えられる。人気を集める立場でそういった展開になると、他馬の目標にされてプレッシャーをかけられるという不利が出てくるのだ。

 母インディアナギャルはアイルランドで走り、芝8F(ハロン、約1600m)、10F(約2000m)のGIIIで2着するなど、重賞戦線で活躍。祖母の父にデインヒルを持つのは同じディープインパクト産駒で昨年の英GIレーシングポストトロフィーを勝ったサクソンウォリアーと同じで、世界的にもトレンドの配合と言える。

 一方のワグネリアンの戦績を振り返ってみよう。デビュー戦の7月の新馬戦(中京・芝2000m)は評判馬ヘンリーバローズに次ぐ2番人気だったが、同馬との壮絶な叩き合いをハナ差制して初勝利。上がり3F32秒6は何と、古馬を含めた中京競馬場の最速タイムだった。

 続くOP野路菊S(9月16日/阪神・芝1800m)は重馬場にも対応し、2馬身半差で快勝した。GIII東京スポーツ杯2歳S(11月18日/東京・芝1800m)も3馬身差の快勝で3連勝を飾っている。この馬の素晴らしいのは初戦の超スローペース(1000m通過1分07秒0)、2戦目の重馬場、3戦目のハイペース(1000m通過58秒5)とまったく異なる展開と条件のレースに難なく対応し、いずれも強い競馬を見せたことだ。距離も経験済みだし、今回のレースにおける不安はほとんど見当たらない。

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