共同通信杯は、メンタルが強いこの「マル外」が大本命グレイルに迫る

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 冬の東京開催も、はや3週目。今週は、明け3歳馬にとって重要な一戦となるGIII共同通信杯(2月11日/東京・芝1800m)が行なわれます。

 厳寒期のGIIIということもあって、ひと昔前はそんなにメンバーがそろわなかったのですが、昨年の勝ち馬スワーヴリチャードがダービー2着、一昨年の覇者ディーマジェスティが皐月賞を勝って、3年前の1着馬リアルスティールが皐月賞、菊花賞で2着となり、2着馬ドゥラメンテが二冠(皐月賞、ダービー)を達成。それ以前にも、イスラボニータ、ゴールドシップ、ディープブリランテなど、ここで上位に入った馬がことごとくクラシック戦線を賑わすようになり、"出世レース"として重要視されるようになりました。

 日本ダービーを狙うような期待馬、特に関西馬にとっては、ダービー前に東京競馬場を経験させておきたいもの。しかも、それなりのメンバーで腕試しをしたいと考えれば、この開催のあとではダービートライアル(青葉賞、プリンシパルS)くらいしかなく、皐月賞出走も想定していれば、必然的にこのレースを選択、ここに好メンバーが集まるのも当然と言えます。

 また、最近は道路事情もよくなって、渋滞を回避しやすくなったこと、馬運車もここ数年で格段に性能が上がって、長距離輸送のリスクが少なくなったこともあるでしょう。近年は、同時期に関西で行なわれるGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)よりも、好メンバーがそろうようになっていますからね。

 そして今年も、関西から楽しみな逸材が出走してきます。

 グレイル(牡3歳)です。暮れのGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)を制して、実績的には"世代最上位"と言えるタイムフライヤー(牡3歳)を、その前の京都2歳S(11月25日/京都・芝2000m)で差し切っています。

 その戦績だけでも注目に値しますが、そのレース内容がいかにも幼く、まだまだ伸びしろを残していた分、一層期待が膨らみます。

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