ミッキークイーンが秘める「幻のトップギア」。有馬記念で炸裂するか (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 同馬が、キタサンブラック(牡5歳)をはじめ、牡馬トップレベルの馬たちにひと泡ふかせるシーンがあってもおかしくない。

 ところが、栗東の競馬関係者たちに取材をしてみると、ミッキークイーンの評価は思ったほど高くはない。ある関係者が言う。

「ここ2戦、GIで連続して3着に来ているのだから、力があることは認めています。ただ、それ以上となると、どうでしょう。この馬が勝つ、というイメージまではわきません」

 ミッキークイーンは、スピード、瞬発力、持続力、そして精神力、それらのどれをとっても一級品ではあるが、「これがズバ抜けてすごい」というものはない。いわゆる"パンチ力に欠ける"わけで、それゆえ、有馬記念のような大レースを勝つイメージがわかないのだという。

 実は、ミッキークイーンには勝負どころで"おかれる"、要するに騎手のゴーサインにスッと反応できないという弱点がある。

 古馬になって8戦して1勝しかできていないのも、それが大きな要因のひとつ。いつもいい脚で追い込んではくるのだが、勝負どころで"おかれる"分、2着、3着にとどまってしまうことが多いのだ。

 その理由について、関西の競馬専門紙記者はこう推測する。

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