今週は香港だ。「強い日本調教馬」で、レースも馬券も世界に勝つぞ! (4ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

 香港マイル(芝1600m)には、昨年に引き続いて、サトノアラジン(牡6歳・池江泰寿厩舎/父ディープインパクト)が挑戦する。昨年の出走時点では無冠だったが、今春ついに安田記念(6月4日/東京・芝1600m)を勝利し、念願のGI初タイトルを手にした。この秋は毎日王冠(10月8日東京・芝1800m)で2着と上々のスタートを切ったが、天皇賞・秋(10月29日/東京・芝2000m)が不良馬場でまったく走らず18着、続くマイルチャンピオンシップ(11月19日/京都・芝1600m)でも12着と精彩を欠いている。

「天皇賞のダメージを心配して、マイルCSでは少し大事に調整してしまった分、まったく気合不足で競馬に使うことになってしまいました」と池江泰寿調教師は振り返った。7日朝の追い切りでは、そのスイッチを入れることを主眼に置いて強めの調教を実施した。

「攻めすぎないよう、気持ちを乗せて。これがラストランなので悔いが残らないように」

 そう語る池江調教師の表情は、この秋の凱旋門賞前のものとは対照的に、明るく感じられた。

 香港競馬はマイル路線もスプリント同様強力で、昨年も1~4着を独占。その4頭が揃って今年も出走してきた。とりわけ昨年2着のヘレンパラゴン(牡5歳/父ポーラン)は、その後GIを2勝し、前哨戦も2着と型どおりの良化を見せている。さらにランカスターボンバー(牡3歳/父ウォーフロント)、ローリーポーリー(牝3歳/父ウォーフロント)のクールモア勢2頭も、強敵との対戦経験が豊富で、それぞれに実績もある。

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