大激戦の天皇賞・秋は「競馬を嫌がらなくなった」マカヒキに復活気配 (3ページ目)
少々話が逸(そ)れてしまいましたが、サトノクラウンは天皇賞・秋では2年連続で大敗を喫しています(2015年=17着、2016年=14着)。しかし今年は、過去2年とは状態も、状況も違うと思います。楽しみな1頭です。
サトノクラウンと同じオーナーのサトノアラジンも、今年は安田記念を制して、前走の毎日王冠でも2着と好走。ひと皮むけた印象があり、素質馬が6歳になってようやく開花した感じがします。今は、折り合いもついて、終いはきっちり伸びてきます。前々走、前走からはさらに距離が延びますが、気性的にも大人になった今なら、心配はいらないでしょう。
道中、そして直線に入ってからも不利がなければ、メンバー最速の上がりを繰り出すのはこの馬だと思います。安田記念に続いて、再び豪快な差し切り勝ちが見られるかもしれませんよ。
前走で復調へのきっかけをつかんだ感があるマカヒキ さて、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、4歳世代のダービー馬、マカヒキを取り上げたいと思います。
近年では「最強レベル」と称されたこの世代。このマカヒキに、皐月賞馬のディーマジェスティ、菊花賞馬のサトノダイヤモンドと、まさに屈指の「3強」でした。しかし、この3頭とも今年はGI勝ちがありません。いろいろと理由はあると思うのですが、クラシック三冠で見せたそれぞれのパフォーマンスから考えれば、残念と言わざるを得ません。
それでもマカヒキに関しては、最後まで一生懸命走っていた前走の毎日王冠(6着)で復活のきっかけをつかめたと思います。それまでのレースでは、何か競馬を嫌がっているような走りを見せていましたからね、変わり身が期待できます。
昨秋、凱旋門賞に挑戦して14着と惨敗を喫したマカヒキ。以来、復調するまでにかなりの時間を要してきましたが、3歳時に海外遠征をするということは、それだけ大変なことなのでしょう。
「最強レベル」と言われた世代のダービーゆえ、万全であれば、アッと言わせてもおかしくありません。面白い存在だと思います。
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プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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