スプリンターズSの「刺客」ブリザード。
波乱の猛吹雪が日本馬を襲う
「短距離王国」香港からの「刺客」ブリザード(せん6歳、父スタークラフト)が来日した。
暮れの香港スプリント(シャティン・芝1200m)においては、昨年、一昨年と香港調教馬が上位4頭までを独占しており、特に昨年はビッグアーサー、レッドファルクスといった、昨年の短距離GI勝ち馬2頭が参戦しながら、10着、12着と日本勢はまったく存在感を示すことができかった。
過去に香港調教馬は日本のスプリンターズSで2勝、高松宮記念でも1勝という成績を残している。昨年の香港スプリントの結果を踏まえ、新陳代謝の進まない現在の日本のスプリント路線の馬たちが相手であれば、やはり軽視はできない。
ただ、ブリザード自身の戦績を見ると、これまでに来日した香港調教馬と比較すると実績的にやや物足りなさを感じる。香港生え抜きで、通算26戦8勝はいいとしても、重賞勝ちは今年元日に行なわれたGIII香港チャレンジカップ(シャティン・芝1400m)の1勝にとどまっている。4歳時には、距離が明らかに長い香港4歳三冠シリーズで、前半の二冠でともに3着と地力はうかがわせており、短距離路線に矛先を変えたあとも、重賞戦線で常に上位を賑わせるなどしてきてはいるものの、もうワンパンチ足りないという印象は拭えない。
ブリザードは実績こそ多少見劣るが、日本での調整も順調で侮れない存在
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