神戸新聞杯は、横山典騎手があやつるマイスタイルが馬券のスパイス (2ページ目)

 ゆえに、神戸新聞杯においては、3歳春の時点ではまだ成長途上にありながら、夏を越して急成長し、本番の菊花賞でも好走が期待できそうな馬を探すこと。それが、このレースの行方を占ううえでのひとつの考え方だと思います。

 今年も、その考えにぴったり当てはまる馬がいます。そう、キセキ(牡3歳)です。

 昨年末の新馬戦こそ快勝したものの、その後はGIII毎日杯(3着。3月25日/阪神・芝1800m)まで、月1走ずつこなしてきましたが、毎日杯を含めて3戦とも善戦止まりでした。ただ、その負け方はいかにも素質を持て余している雰囲気があって「秋には大きく変わってくるかも」と、当時から思っていました。

 そうして、春には無理をさせることなく、ダービー出走などを夢見ずに休養。おそらく成長を促すためでしょうが、陣営のその決断には感服しました。まさに英断です。

 その結果、7月の復帰戦(500万条件)では古馬との初対戦でも圧勝。昇級初戦となった前走の1000万条件・信濃川特別(8月5日/新潟・芝2000m)でも、驚異的な決め手を披露して快勝しました。春とは違って、一段と成長した姿を見せてくれましたね。

 今回の相手は同世代とはいえ、さらに強化されていますが、春の時点からのパフォーマンスの上積みを考えれば、ここでも十分に上位を争えると思います。ここで好走して、本番の菊花賞でも好勝負を演じる――その可能性も大いにあるのではないでしょうか。

 もちろん、ダービー馬レイデオロ(牡3歳)も最有力の1頭です。

 一冠目の皐月賞(5着。4月16日/中山・芝2000m)で敗れたことによって、ダービーでは2番人気に甘んじましたが、2歳暮れの時点では「三冠馬が出るかもしれない」と思わせたほど、同世代の中では圧倒的な存在でした。皐月賞は順調さを欠いて取りこぼしたようなもの。レースも負けたとはいえ、勝ちに等しい内容でした。実質"負けなし"のダービー馬という見方でいいでしょう。

 今回も休み明けというマイナスがありますが、皐月賞の前とはワケが違います。休養中も順調に過ごして、仕上がりに関して心配はいらないでしょう。

 懸念があるとすれば、初めての関西圏での競馬ということと、距離でしょうか。少しテンションが高めな馬だと思うので、初めての長距離輸送と、競馬場で1泊するというスケジュールがどう出るか。多少のイレ込みはある程度織り込み済みだと思いますが、想像を上回ってしまうこともなきにしもあらず、です。

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