新潟記念の本命アストラエンブレムは、最強世代の「遅れてきた大物」か (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 ただ、こうしてレース選択をうまくやりくりし、陣営の懸命なケアによって、自己条件ではきっちり結果を出してきた。そして、クラシック期間を休養にあて、さらに長い間隔をあけてレースに臨むことで徐々に体質も改善。昨年末にオープン入りを果たすと、今年に入ってからは「以前のような"ひ弱さ"が抜けてきた」と野口記者は言う。

「今年に入ってからは、体重を大きく減らすようなこともなくなって、むしろ逆に少しずつ増えてきています。ようやく、身が入るようになってきたのでしょう。また、輸送に対する気性面も改善の傾向にあって、2走前のメイS(5月20日/東京・芝1800m)では当日輸送で臨みましたが、テンションが上がる面はほとんど見せませんでした。さらに、続くGIIIエプソムC(6月11日/東京・芝1800m)では万全を期して前日輸送でしたが、中2週という今までにない間隔で使われながら、ガクッとくるようなことが一切ありませんでした」

 とはいえ、メイS、エプソムCといずれも2着。レースにおける"詰めの甘さ"が残っているというか、いまだにもうひと踏ん張りがきかないのかもしれない。新潟記念では断然の人気が予想されるが、油断できない曲者がズラリ。再び取りこぼしてしまうことも考えられるのではないか。

 そしてもうひとつ、これまで5勝のうち4勝はマイル戦。この2戦の2着は距離が原因だとすれば、2000m戦となる今回はさらに距離不安が生じるのではないだろうか。それらの疑問について、野口記者はこう反論した。

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