藤沢厩舎がダービー連覇の夢を託す
フラットレーは「ムチャクチャいい」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第8回:フラットレー

 数々のタイトルを獲得してきた名トレーナーが今年、これまでずっと手にすることができなかったGI日本ダービー(東京・芝2400m)の栄冠を、ついに獲得した。

 名トレーナーとはご存知、藤沢和雄調教師である。1987年にJRAの調教師になると、毎年のようにJRA賞の調教師部門を獲得。JRAの重賞制覇は100勝を超え、GI勝利も現役最多の26勝だ。その26勝目が、管理するレイデオロ(牡3歳)でつかんだダービータイトルだった。

 悲願を成就させたばかりの名トレーナーだが、早くもその視線は来年のクラシックに向いているのではないだろうか。なぜなら、そんなことを十分に期待させる素質馬がこの厩舎にやってきているからである。

 フラットレー(牡2歳/父ハーツクライ)だ。

デビューに向けて調整が進んでいるフラットレーデビューに向けて調整が進んでいるフラットレー 同馬はすでに美浦トレセン入り。藤沢厩舎のもとで日々調教を積んでいるが、そのポテンシャルについては早くから噂になっていた。

「動きはムチャクチャいいですね。これは走ると思いますよ」

 そう語るのは、育成を行なったノーザンファーム空港牧場の樋口政春氏。さらに同氏は、この馬のよさについてこう評した。

「父ハーツクライの子どもですが、これは"いいハーツクライの子"ですね。馬っぷりがいいし、背中の感触もいい。実際の馬体重よりもっと大きく見えます。バランスがいいので、故障もしにくそうですよね」

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