熱血マンガ『アストロ球団』の血を継ぐ僧侶が占う、混戦ダービーのゆくえ

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu

高野山真言宗僧侶・中島龍太郎師「競馬との縁」後編

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競馬関連の宝物を両手に話をしてくれた中島龍太郎師競馬関連の宝物を両手に話をしてくれた中島龍太郎師
 中島師が語る、中国でのエピソードや父、中島徳博との思い出、そして競馬との数奇な縁による繋がり。

 はたして、中島師は今年の戦国ダービーをどう占うのか。

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 何度かの出張を経て、私がいよいよ中国駐在として赴任する日が近づいてまいりました。06年の6月末から福建省の赤岸鎮に長期の滞在となります。それに向けての最後の出張が、6月の上旬にありました。ちょうど安田記念の季節です。私は関西空港から飛行機に乗る直前、携帯電話でメールを送って、競馬好きの後輩にこのレースの馬券の購入を託しました。すると、なんと驚いたことに、3連単馬券が大当たり! 私はこの月末から日本をしばらく離れます。この配当金で恩返しをすることをふと思いつきました。大学卒業後も聴講していた中国語の授業は、一切授業料を払っていません。ですので、この配当金の大部分を、中国語を学ぶ学生たちの旅費として差し上げ、私が駐在する赤岸鎮(せきがんちん/中国・福建省)の農村の小学校などで文化活動をしてもらうのはどうかと、お世話になっていた先生に提案したのです。この提案はその年の10月に実現しました。

 私が中国駐在して3年の月日が過ぎた頃、正式に中国の都市部の大学に留学する機会をいただけました。あれほど夢見ていた中国への大学留学が叶ったのです。この大学では、高野山大学の時とは異なり、すべての単位を修得し、論文も提出し、卒業までさせていただきました。

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