大阪杯、過去にGI馬を負かした伏兵にソックリな「穴馬3頭」を発見

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 今年からGIへと昇格した大阪杯(4月2日/阪神・芝2000m)。記念すべき"一発目"にふさわしい豪華メンバーが集結した。だが、決して波乱を期待する"穴党"の出番がないわけではない。

 なぜなら、有力各馬に多かれ少なかれ、不安要素があるからだ。

 まず、1番人気が濃厚なGI3勝のキタサンブラック(牡5歳)は、GI有馬記念(2着。2016年12月25日/中山・芝2500m)以来の休み明け。元来、その点は苦にしないタイプとはいえ、このあと天皇賞・春(4月30日/京都・芝3200m)という長距離GIが控えており、ここで目いっぱいに仕上げてくることは考えにくい。安定感抜群のレースぶりから大崩れは想像できないが、今回が目イチ勝負の馬に足もとをすくわれてもおかしくない。

 昨年のダービー馬であるマカヒキ(牡4歳)は、昨秋の凱旋門賞(2016年10月2日/フランス・芝2400m)で惨敗(14着)したあと、GII京都記念(2月12日/京都・芝2200m)を叩いて挑むが、その前走で3着。本来の伸びを欠いて、物足りなさが残った。馬の調子自体も心配されるが、何より"成長力"に大きな疑問が持たれている。

 香港で初のGI制覇を果たし、連勝中のサトノクラウン(牡5歳)は有力馬の中では最も勢いがある。ただ、過去には凡走するケースが多く見られ、全幅の信頼を置きにくい。

 重箱の隅をつつくような指摘かもしれないが、そんなちょっとした不安によって、予想もしていなかった大波乱が起こるのが、競馬である。

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