「強くなったデス」と再来日の2頭。今年のJCは外国馬を侮れない (2ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu


 また、昨年は10月1週目である凱旋門賞からのレース間隔が、この馬にとっては微妙に長かったようだ。それを今年は2週間詰めることができたのは、状態のコントロールという点でもプラスに作用していると、帯同するアントニー・ダヴィ調教助手は語る。

 そして、何より一番の脅威は今回手綱を取るピエール・シャルル・ブドー騎手だ。日本では一昨年に短期免許で来日し、体重調整に失敗して、ブーツを履かずに騎乗するという珍事でインパクトを残したが、昨年は初のフランスリーディングを獲得。さらに今年はフランス年間最多勝記録更新というおまけつきで再度首位になり、今、フランスで最も脂の乗っているジョッキーとして戻ってきた。イラプトとのコンビはデビュー戦で1着となったとき以来2度目。凱旋門賞でも人気薄のシルジャンズサガを4着に導いたことからも、昨年の0秒3差を詰めてくる可能性は大いにある。ダヴィ助手はこう言って不敵な笑みを見せる。

「今年の日本馬には、こちらが臆するようなスターが不在。4歳になってパワーアップしたこの馬なら、とても楽しみです」

 もう1頭、昨年に引き続いての参戦となるのがドイツのナイトフラワー(牝4歳)だ。昨年のジャパンCでは11着だったが、着差は0秒5と悲観するような内容ではなかった。帯同するパトリック・ギブソン調教助手は次のように敗因を振り返る。


こちらも再来日。順調に調教を消化するナイトフラワーこちらも再来日。順調に調教を消化するナイトフラワー
「大外枠でとにかく流れに乗れませんでした。枠順さえよければ、もっと違った結果が出ていたはず、と陣営では見解が一致しました」

 ジャパンCから帰国後、休養を経て今年5月に戦線に復帰。そこから徐々に調子を上げてGI2戦で相次いで2着となった後、9月25日のGIオイロパ賞(ケルン・芝2400m)を連覇し、昨年と同じローテーションでジャパンCへの参戦となった。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る