天皇賞パス組の、キタサンブラックとゴールドアクターはJCで買いか (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki


 唯一気になるのはその脚質だ。ハナを奪って逃げる可能性が高いが、過去30年のジャパンカップで、4角を先頭で回ってきて勝利したのは2003年タップダンスシチーのただ1頭。同レースは2着にも2番手追走のザッツザプレンティが入り、いわゆる"行った行った"のレースだった。それも、ふだんより6秒近く時計がかかる重馬場という、特殊な馬場で行なわれたもので参考外と言えるだろう。さらに遡ると1984年に14頭立て10番人気で逃げ切り、日本馬のジャパンカップ初勝利となったカツラギエースがいるが、2003年以外の過去30年では4角先頭の馬は、勝利はおろか3着以内にも入ったことがなく、データ的には勝ち切る可能性は低そうだ。

 対するゴールドアクター。昨年のGIIアルゼンチン共和国杯(東京・芝2500m)で重賞初制覇を果たした後、8番人気だった有馬記念で勝利した。今年はGII日経賞(中山・芝2500m)を快勝したが、1番人気に推された天皇賞・春では12着と惨敗。しかし、秋初戦のGIIオールカマー(中山・芝2200m)は快勝し、ここに臨んできた。本馬は2番手から中団より前めでレースを進め、そこから瞬発力を発揮して勝負するタイプ。中長距離戦では最も安定している戦法と言えるだろう。実際、昨年は1000万下から5連勝する安定性を見せていた。

吉田隼人騎手との相性もいいゴールドアクター。JCでGI2勝目となるか吉田隼人騎手との相性もいいゴールドアクター。JCでGI2勝目となるか
 東京コースは5戦2勝。3回敗れているが、いずれも本格化前の2~3歳時で、4歳時の昨秋、トップハンデ57.5kgを背負って2着以下に1馬身3/4差を付けたオクトーバーステークス(1600万下、芝2400m)、そして重賞初制覇を飾ったアルゼンチン共和国杯と好内容を見せている。

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