2016.10.29

天皇賞・秋はリアルスティールが穴。
「GI請負人」の手腕にお任せ!

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 3歳牝馬、牡馬の「三冠」レースが終了し、いよいよ古馬の頂上決戦がスタート。今週は、秋の古馬「三冠」第1弾となる天皇賞・秋(10月30日/東京・芝2000m)が開催されます。

 この天皇賞・秋と、11月末のジャパンカップ(11月27日/東京・芝2400m)、そして暮れの有馬記念(12月25日/中山・芝2500m)の3つのレースを制覇すれば、JRAから褒賞金2億円という特別ボーナスが贈られます。過去には、ゼンノロブロイとテイエムオペラオーがこの「三冠」を達成し、ビッグボーナスを手にしました。

 しかしながら、わずか2カ月あまりの間に、ハイレベルかつ熾烈なレースを3戦こなさなければいけないため、「三冠」達成はかなり難しく、最近はそれを最大目標とする陣営は減っているようです。特に近年は、ジャパンカップと有馬記念の1着賞金が高くなったこともあり、天皇賞・秋をあくまでもステップレースと考えたり、またはパスしてしまったりする陣営が増えてきました。

 今年も、春の天皇賞を勝ったキタサンブラック、昨年の有馬記念馬ゴールドアクターらトップホースが、天皇賞・秋をスキップしてしまいました。陣営の思惑や競走馬のコンディションなどを考えれば、仕方のないことかもしれませんが、「8大競走」のひとつでもある伝統的なビッグレースの現状としては、少し寂しい感じがしますね。

 そうした状況にあって、今年はフルゲートに満たない出走頭数になりました。ただ、馬券的には非常に興味深い一戦です。

 まず目を引くのは、モーリス(牡5歳)です。マイル戦だけとはいえ、安田記念、マイルCS、そして香港マイルと、昨年はGI3勝を挙げて年度代表馬に輝きました。

 ただ以前から、レースでの"折り合い"が懸念されています。そこは、常につきまとう心配事です。だいたい、あの爆発的なパワーを持つモーリスがかかってしまったら、乗っているほうとしてはたまったものではありません。本当に苦労するんです。レース後には、腕がパンパンになりますよ。

 今春の安田記念(6月5日/東京・芝1600m)では、そんなかかる気配を嫌ってか、鞍上のT・ベリー騎手が大事に乗りすぎた感がありました。まあ、少しかかっていたことも影響したのでしょうが、結局連覇はならず、2着にとどまりました。それだけに、距離が伸びる前走の札幌記念(8月21日/札幌・芝2000m)では、どんな競馬をするのか、期待と不安を抱きながら見ていました。

 結果は2着。それでも、内容的には及第点を与えられるのではないしょうか。モレイラ騎手の巧みな騎乗技術もあると思いますが、外枠スタートで、道中も前に壁を作れない状況ながら、1コーナーの入りからきっちり折り合っていました。あの競馬ができれば、距離への不安はなさそうです。