ディープ産駒の菊花賞初制覇へ。実は長距離向きのディーマジェスティ (2ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 ディーマジェスティがこれまでのディープインパクト産駒と違うのは、その血統構成にある。ディープインパクト産駒として母の父にブライアンズタイムを持つ馬としても初めて重賞、そしてGIを勝った馬であり、さらに言うと、ブライアンズタイムの父ロベルトを血統に持つディープインパクト産駒として、初めてJRA GI(海外ではビューティパーラーが仏1000ギニーを勝利)を勝った馬でもあるのだ。血統の面からも、皐月賞を勝ったことからも、今までのディープインパクト産駒と同様に考える必要はないだろう。

 むしろディーマジェスティの血統は菊花賞向きだ。母の父であるブライアンズタイム産駒は1994年ナリタブライアン、1995年マヤノトップガンと2頭が勝利している。また、ディーマジェスティ同様に母の父ブライアンズタイムの馬としても2009年の勝ち馬スリーロールス(父ダンスインザダーク)がいるほか、2012年天皇賞・春の勝ち馬ビートブラック(父ミスキャスト)もおり、長距離GIには実績のある種牡馬である。

 祖母の父サドラーズウェルズも長距離戦には強い種牡馬だ。欧州では数々の名馬を出し、1992年から2004年にかけて13年連続で英愛リーディングサイアーに輝いた大種牡馬である。国内ではサドラーズウェルズを祖母の父に持つ馬は2013年の菊花賞をエピファネイアが勝利している。エピファネイアは父シンボリクリスエス(父の父ロベルト)、母の父スペシャルウィーク(父サンデーサイレンス)という配合なので、父と母の父を逆にすればディーマジェスティと共通点の多い配合馬とも言える。

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