神戸新聞杯、大本命サトノダイヤモンド
を脅かす「2頭の上がり馬」

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 いよいよ次週にはGIスプリンターズSが開催され、競馬のトップシーズンに突入していきますね。

 さて、今週の注目レースは、やはりクラシック三冠の、最後の一冠となる菊花賞トライアルの神戸新聞杯(9月25日/阪神・芝2400m)でしょう。

 今春の二冠、皐月賞(4月17日/中山・芝2000m)と日本ダービー(5月29日/東京・芝2400m)は、着順こそ違うものの、上位5頭の顔ぶれはまったく同じでした。しかも、皐月賞馬ディーマジェスティ(牡3歳)が先週のセントライト記念(9月18日/中山・芝2200m)を制し、ダービー馬のマカヒキ(牡3歳)も海外重賞ニエル賞(9月11日/フランス・芝2400m)を制覇。今年の3歳牡馬は、その上位5頭が抜けた存在と言えるかもしれません。

 その5頭のうち、リオンディーズは戦線離脱してしまいましたが、この神戸新聞杯にはサトノダイヤモンド(牡3歳)とエアスピネル(牡3歳)が出走します。

 まず注目は、サトノダイヤモンドです。まだ未冠ながら、皐月賞では1番人気で3着、日本ダービーでは2番人気で2着と、クラシックを制した前述の2頭とも互角の評価で、互角の勝負を演じました。上位5頭の中でも、このサトノダイヤモンドと、ディーマジェスティ、マカヒキの3頭は、さらに別格の存在と言えるでしょうね。

 ゆえに、サトノダイヤモンドにもここで負けてほしくない、というのが正直な気持ちです。無論、成長はあるのか? 久々で仕上がりはどうなのか? 懸念すべき材料はありますが、きっちり勝って菊の舞台でディーマジェスティと争ってほしいですね。馬券的な妙味は別にして、強い馬が強い競馬をして勝つ、というのも競馬の醍醐味だと思っています。

 とはいえ、先週のセントライト記念に比べて、かなり強力なメンバーがそろいました。簡単に勝てるほど、楽な相手ではありません。

 その対抗勢力の中でも、一応筆頭格となるのは、先にも挙げた"上位5頭"の1頭であるエアスピネルでしょう。ただ、この馬とサトノダイヤモンドとは勝負づけが済んでいるような気がします。もちろん、夏を越して著しい成長があれば別ですが、エアスピネルは2歳時から活躍しているように、早い段階である程度完成されていた印象があります。逆転まであるか? というと、そこまではイメージできません。

 むしろ、夏に成長を感じた2頭に魅力を感じています。

 1頭は、ミッキーロケット(牡3歳)です。今春のスプリングS(3月20日/中山・芝1800m)の際にも注目していましたが、いかにも「若い」というレースぶりで5着に敗れました。しかし逆に言えば、「大きく成長する」「伸びしろがまだまだある」という中での5着で、「十分に好走した」と捉えることもできました。

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