真夏の小倉競馬場で、昼からほろ酔いになって「悪夢」を見る (3ページ目)

  • 土屋真光●旅人 Traveler&text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 肝心のグレナディアーズは6着。しかも、ワシの手元にはなんで買ったのかわからない間違い馬券まであって、紙くずだけがどんどん増えていった。

 悲惨な結果を迎えようとしている「旅打ち」第2ラウンドの小倉競馬。最終の第12レースは、500万条件のダート1000mだった。「気を取り直そう」と自らに言い聞かせて、まずは競馬新聞を隅々まで読んだ。

一発逆転を狙った最終レースは...?一発逆転を狙った最終レースは...? そこから導き出した本命は、減量騎手を起用し、逃げる気まんまんの12番メイショウボノム。7番人気と、一発逆転を狙うには十分の馬だ。同馬の単勝に複勝、さらに同馬から馬連複で人気馬3頭、人気薄2頭、計5頭にながした。

 レースは、メイショウボノムがもう1頭の逃げ馬とガンガンやり合って、序盤からハイペースとなった。そうなると、メイショウボノムはさすがに苦しい。結局、ゴール前で脚色が鈍って、2頭にかわされて3着。複勝は得たものの、今日1日の負け分を回収するまでにはとても至らなかった。ドラクエで言えば、ベホマまでいかず、ホイミくらいのヒットポイントを取り戻した程度だ。

 何にしても、負けは負け。土用の丑の日だというのにウナギは食えず、ウナギの寝床のようなカプセルホテルで寂しい夜を過ごした。

(つづく)

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