カンが勝負の旅打ちも、ばんえい競馬には「勝利の法則」がある!? (4ページ目)

  • 新山藍朗●旅人 Traveler&text&photo by Niiyama Airo

 それと、これは都市伝説の類(たぐい)かもしれないが、「ばんえいでは水分の含有率によって、その日走りやすいコースができる」と何かの本で読んだことがある。以来、馬番にはこだわって、5000円代の馬券を当てたときも、このことが参考になった。

 そしてこの日、7レースを迎える前までに7コースが2回、8コースが1回勝っている。それで、「8番は1勝でも7番が2勝だから、そのあたりのコースが走りやすいのかもしれない」と思って、8番に決めた。

 ただし、ここで"悪魔の囁き"が頭の中をかすめた。「この8番の馬は前走1着。しかし、続けて勝てるほど強くはない。馬単の2着づけでどうか」――。

最初に勝負した7レース。直線に入ると、3番と7番の馬が抜け出したが...最初に勝負した7レース。直線に入ると、3番と7番の馬が抜け出したが... 案の定というべきか、レースでは3番の馬と7番の馬が勝負の第2障害をクリアして先頭争いをしている。特に7番の勢いがいい。「やはり7番枠は走りやすかったのだ」と、ワタシはひとりほくそ笑む。

 肝心の8番の馬がなかなか来ない。後方を見ると、第2障害の上で立ち止まっている。

 最後の直線に入っても、トップを争うのは3番と7番。

「あぁ~、ハズレたかぁ......」

 そう諦めかけたときだった。来た、来た! ばん馬にこんなスピードが出せるのか、と思うくらいのスピードで8番の馬が猛然と追い込んできた。先行した7番に、8番が追いすがる。絵に書いたような、7番→8番の馬単の出来上がりではないか!

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